EXHIBITION
令和七年
「支配と無垢」
和歌山城 天守閣
私は日本にある和歌山根来という場所から、たくさんの恵を受けて育ちました。
根来塗りという技術から着想を得て生み出した根來継ぎという技法は、根来の持つ風土の魅力を私なりに表現したくて生まれたものだと感じています。人はあらゆる環境に身を置き、そして影響を受けて自分自身を形成し、そして個と個が集まり文化が生まれます。人は無秩序のなかに秩序を見出し、素晴らしくも制約された世界の中で、ありのままを受け入れる為に学び、様々な事象を継ぎ、営みを保ちます。
ひらのまりが自身のふるさとに想いを馳せ、支配され、無垢なる心で作りあげた作品群で、生まれ故郷である和歌山県にて初めて開催した展覧会です。
令和六年
「破壊と創造 すなわち伝統」
神楽坂 TRUNK(HOUSE)
ひらのまりの初めての東京での個展「破壊と創造 すなわち伝統」。
ひらのまりは、出自の地である和歌山の根来に伝わる「根来塗り」という朱と黒の漆を組み合わせた伝統の技法を用い、破壊された器を漆で継ぐ「根來継ぎ」を制作しています。
本展覧会では、「伝統」をコンセプトに新たな技法を用いた作品を展示いたしました。伝承は古くからのものをそのまま後世に伝えることを指す一方で、「伝統」とは、同じ技術や材料を用いながらも新しい手法を取り入れて挑戦し、革新していくものと考えられています。
根來継ぎでは、完成された器を壊し、漆で継ぐことで修復するのではなく、新たな芸術表現を追求しています。さらに、器の継ぎ目にはガラスを用いることで、従来の伝承文化の枠を超え、独自の視点で新たな表現を創造し、作品に投影しています。
令和五年
「根來継ぎ」初個展
大阪南港ATC デザイン振興プラザ
ステンドグラスアーティスト ひらのまり による初めての「根來継ぎ展覧会」。
ひらのまりの出自の地、和歌山の根来に伝わる「根来塗り」という朱と黒の漆を組み合わせた伝統の技法を用い、破壊された器を漆で継ぐ「根來継ぎ」。器の継がれた箇所は「景色」と呼ばれ、世界に二つと無い、唯一無二の芸術表現となっています。「景色」にはガラスを用い、今までの伝承文化を叩き、独自の視点で伝統文化としての新たな表現を目指しました。